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「ガタカ」 [映画]


ガタカ

ガタカ

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


1997年 アメリカ 
監督 アンドリュー・ニコル

「ブレードランナー」以降では一番好きな映画
ジャンルは一応SFだが、派手なアクションやSFXは一切無し。
とても切ない人間ドラマだ。

舞台はそう遠くない未来。
遺伝子操作が当たり前となり、ハンデとなる因子は取り除かれた
優秀なDNAのみを持つ受精卵から生まれたエリート
「適正者」として社会の上層を占め
自然のままの受精・出産を経て劣った遺伝子を持ったまま育った人間は
「不適正者」として差別を受け下層階級で虐げられていた。
遺伝子操作を受けずに生まれ、不適正者として育ったビンセントは
心臓疾患の恐れを抱えつつも、宇宙飛行士の夢をかなえるために
遺伝子検査の壁を越え努力を重ねていくのだが…。


公開当時、私はこの映画の存在を全く知らず、3年後ぐらいにレンタルショップ
たまたま見かけて借りてみたのだが、映像もストーリーも音楽も全て私好みで
劇場で見なかった事を非常に後悔した。

細かい突っ込み所は確かにあるのだが、そんな粗探しをするのが馬鹿らしくなる程
感情的に入り込んで見てしまう。
何がしかのコンプレックスに苦しんだ人間には、
主人公に少なからず共感する所があるのではないだろうか。

作品のテーマとしては、避けられない運命の壁を乗り越える為の
努力の大切さを伝えていると思うが、
そんな一言で終わらせられる様な、単純な根性物では無い。
遺伝子操作を受けて生まれた優秀な弟と比べられ、
家にも、自分が住む地球にさえも居場所を無くし、
それでもなお逆境の中で夢を実現させる為に驚異的な努力を続ける主人公だが、
最後には自分の力だけじゃなく、周りの人々の協力があって
夢が果たせる…って所がまた泣かせる。

主人公を演じるイーサン・ホークも素晴らしいのだが
それ以上に光っているのがジェロームを演じるジュード・ロウ。
ビンセントに遺伝子のサンプルを提供する、挫折したエリートの役だが
最初の車椅子での登場から只ならぬ雰囲気を漂わせている。
最初はぎこちなかったビンセントとの関係も、
彼の努力を見続ける内に次第に友情へと変化して行くのだが、
この辺の感情表現もさすが。単なる二枚目俳優じゃない。
ビンセントのアリバイを証明する為に必死で階段を上る場面は感動もの。
そしてビンセントとの最後の別れで、メッセージを手渡す時の清々しい表情…。
タイタンへ向かうロケットが発射され、焼却炉に繋がるシーンは
人によって受け取り方は様々だと思うが、私は泣けて泣けて仕方が無かった。
あれはあれでジェロームなりの納得した決着の付け方だったんだと思う。

そしてアイリーン役のユマ・サーマンがまた美しい事この上なし!
こういう知的で哀愁を帯びた役は実に合っている。
髪の毛を飛ばすシーンは特に良いなあ…。

アンドリュー・ニコルはこの映画が監督初作品との事だが、大した才能だと思う。
画面の色調や建物、セットのデザインが非常に美しく
また登場するする車も、あえて古い時代の名車の形でエレクトリックカーとしており
そのセンスにも感心した。

あとマイケル・ナイマンの音楽がまた素晴らしくて、あまりに良いので
サントラ盤のCDも買ってしまった。

遺伝子工学の発達は、この話がもう絵空事では無い所まで来ている。
人間の本当の価値とは何かを考えさせてくれる、色んな意味で心を揺さぶられる作品。


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しろのぽ

SF「を」描くか、SF「で」描くか、このさじ加減が作家や作品によってかなり違うと思うんですが、後者の色濃い作品なのかなぁ。
テーマ自体は、実は普遍的なものである感じがしますね。

レヴューなど見ると隠れ(?)名作の雰囲気、でも例によって観てないのですが・・・って公開当時小学生になってるかなってないかだ、ワタシ(^^;

by しろのぽ (2008-04-18 22:49) 

T2

おー これは知りませんでした。
子供の頃「21世紀は未来の世紀」
だと思ってましたけど、現実まで来ちゃいましたね(^^;
70、80年代の近未来を描いた映画って
今のようにCGはありませんから、創意工夫の宝庫だと思います。
by T2 (2008-04-19 00:14) 

テトラ

既に記事をご覧になった皆様、大変申し訳ありません!
作品公開を1977年と書いてましたが、1997年の間違いでした。
先程訂正しました。間違いが無い様、何度か見直したつもりでしたが…
以後気を付けますm(__)m
by テトラ (2008-04-19 01:16) 

テトラ

>しろのぽさん
すみません~!97年公開なので、とっくに大人に…
(っていやこれも余計でした^^;)
作品は正に「SFで」描いたって感じですね。
隠れた名作です。是非、ご覧になってみて下さい。
画面も、絵画的な感じのするシーンが沢山ありますよ。


by テトラ (2008-04-19 01:23) 

テトラ

>T2さん
申し訳ありません!m(__)m誤情報を書いてました。11年前の映画です。
しかし70年代に撮ったとしても
さほど変わらない画面になったとは思います。
派手なメカも、モンスターや宇宙人も出て来ませんが
その分じっくりとストーリーが作られています。
CGに頼らなくても(実際低予算だったようですが)ここまで良い作品が
作れると言う見本だと思います。
21世紀<子供の頃、漫画雑誌に載ってた未来図とはずいぶん違う
現実のような気もしますが、見えない所で技術は進んでるんですよね。
その恩恵を受ける人とそうでない人がはっきり分かれてる気がします。

by テトラ (2008-04-19 01:39) 

しろのぽ

土曜の朝一番にポカーン→爆笑です。
リンクまで飛んでおきながら引っかかってしまいましたorz

10年くらい前はCGも今より高かったですしね。
いまや安直に頼っちゃって、CGに「作られ」ちゃってる映画もしばしばですが・・・
それにしても、この頃映画は結構見てたのになぁ(^^;
by しろのぽ (2008-04-19 10:40) 

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